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非断熱遷移がもたらす新しい量子現象とその解析

日時: 2001/10/30 火 16:30-18:00
講師: 齋藤 圭司 氏 東大
題目: 非断熱遷移がもたらす新しい量子現象とその解析
場所: 55N-02-応物・物理会議室

非断熱遷移は物理的な状態変化を起こすもっとも基本的なメカニズムであり、分野をこえた重要性を持つ。化学反応、磁性体、光学、電子系など様々な場面で顔を出す。特に我々が最近取り組んで来たのは、ナノ磁性体における量子的な多体効果を伴った非断熱現象についてである。ナノ磁性体では磁場を掃引すると、準位の離散性と、局所的な2準位における準位反発で非断熱遷移が起こり磁化過程は階段状のものとなる。また静磁場での磁化緩和はt^(1/2)を示す。我々はこれら実験に対して、非断熱遷移の立場から理論を構築した。

また一方で非断熱遷移は学際的な重要性を持つゆえに、非断熱遷移そのものの研究も大事である。我々は特に散逸の影響を調べ2準位系で萱沼が与えた非断熱遷移確率を拡張し、零磁場からの掃引問題や、一般3準位系bow-tieモデルなど解が知られていなかった様々な場合で厳密に解を求める。

講演では、これらのことを中心に非断熱遷移全般の話題を話して行く予定である。

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