量子推定からみた量子相関について

本講演では始めに量子測定の数学的定式化を基礎から行う.本講演では測定を一般化測定すなわち POVM の範囲で扱うことにする.これと関連して一般化測定といわゆる物理量の測定との関連を述べる.次に,量子状態の推定の2つの定式化として量子相関を用いたパラメータ推定と用いない場合のパラメータ推定を紹介する.ここでこれら2種の定式化を議論するために必要な若干の統計学の準備を行う.そして具体例として,背景熱のノイズ中のコヒーレント光を記述する量子ガウス状態族や Spin 1/2 系のパラメータ推定を扱う.