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Cantor集合的なバンド構造と特異連続スペクトル:不安定量子状態のMittag-Leffler緩和

日時: 2007/09/11 火 16:30-18:00
講師: 藤吉 正人 氏 早大
題目: Cantor集合的なバンド構造と特異連続スペクトル:不安定量子状態のMittag-Leffler緩和
場所: 55N -02-応物・物理会議室

通常、量子力学ではHamiltonianが、離散スペクトルや絶対連続な連続スペクトルをもつ系が主に扱われているが、乱雑な系や準周期を持った系においては、Hamiltonianが特異連続スペクトルをもつことが知られている。不安定量子系の生存確率を記述するモデルとして標準的なFriedrichsモデルでは、弱結合の極限において指数緩和が現れ、その緩和定数が共鳴エネルギーにおける環境系の状態密度によって決定されることが一般的に知られているが、特異連続スペクトルが 存在する場合には状態密度が定義できないようなエネルギーが存在するために、これまでの手法では緩和過程を解析的に導出することはできなかった。

本講演では、Friedrichsモデルへに特異連続スペクトルを導入する手法を紹介し、スケーリング則に基づいた解析手法を用いることでMittag-Leffler関数的な緩和や指数的な緩和が導出されることを示す。また後半では、実際に特異連続スペクトルをもつモデルとして知られている Fibonacci格子系を用いた数値計算を紹介し、 Cantorセット的な構造をもったスペクトル構造が、生存確率の緩和に対して特異連続スペクトル的に働く場合があることを示す。

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