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ボーズ凝縮体における低エネルギー異常散乱

日時: 2007/10/30 火 16:30-18:00
講師: 加藤 雄介 氏 東京大学
題目: ボーズ凝縮体における低エネルギー異常散乱
場所: 55N -02-応物・物理会議室
アルカリ原子のボーズ凝縮の成功によりボーズ凝縮系の研究がふたたびさかんになっている。その結果新たな現象が見出されつつある。そのひとつが異常トンネル効果である。通常の粒子の場合、ポテンシャル障壁の透過確率は入射エネルギーが小さければ、ほとんどゼロになる。これに対して1次元ボーズ凝縮体の励起粒子のポテンシャル障壁に対する透過確率は入射エネルギーが小さいほど大きくなり、エネルギーゼロの極限では完全透過、すなわち「すりぬけて」しまう。この「異常トンネル効果」は2003年Kaganらによって理論的に発見され、2005年Danshitaらによっても研究されている。われわれは三次元ボーズ凝縮体においても低エネルギーのポテンシャル散乱に異常が起きること、異常散乱の起源はGross-Pitaevskii方程式と低エネルギーにおけるBogoliubov方程式の類似性に由来すること、有限温度においても、Popov近似でボーズ系を扱う限り、異常散乱、異常トンネル効果が低エネルギーで生じることを見出した。

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