Spontaneous spin texture and mass current in spinor dipolar BECs

スピン自由度を持った原子気体BECにおけるダイポール相互作用の効果について議論する。ダイポール相互作用は、異方的・長距離的という点で従来の接触型の相互作用と大きく異なり、近年では、Cr原子や異核二原子分子のBECなど強くダイポール相互作用するBECが注目を集めている。我々は、ダイポール相互作用がスピン状態に依存したテンソル力であることに着目し、スピン自由度を持ったBECではスピンテクスチャが形成されることを示した。さらに、スピノルBECのもつスピン・ゲージ対称性のために、テクスチャ形成に伴って自発的に超流動流が出現する。これらの現象は、アルカリ原子気体のようにダイポール相互作用が弱い物質でも実現可能である。講演では、スピンダイナミクス、および基底状態における自発的スピンテクスチャの形成と超流動流の出現に関して、具体的な例をいくつか紹介する。