Bogoliubov Excitations in a Kronig-Penney Potential

光学格子はレーザービームの定常波によって作られ、原子にとって周期ポテンシャルとして作用する。近年、光学格子中のボース凝縮体に関する研究が実験・理論両面から盛んに行われ、凝縮体が光学格子中で様々な興味深い振る舞いが明らかにされている。光学格子中でのボース凝縮体の超流動性を議論する上で、励起スペクトルを調べることは重要である。

本研究では、Kronig-Penneyモデルを用いて、一次元周期ポテンシャル中におけるボース凝縮体の励起スペクトルを解析する。この方法では、任意の深さの周期ポテンシャルにおいて、励起スペクトルを解析的に調べることができるという利点がある。我々はボゴリューボフ方程式（ボース凝縮の素励起を記述する方程式）を解析的に解き、励起スペクトルのバンド構造を求めた。低エネルギーでは、励起スペクトルは音波的（ギャップを持たず線形）であることがわかった。この結果から、周期ポテンシャル中でも凝縮体の超流動性は保たれているといえる。