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ボーズ・アインシュタイン凝縮における準粒子場

日時: 2003/06/03 火 16:30-18:00
講師: 松本 秀樹  氏 筑波大
題目: ボーズ・アインシュタイン凝縮における準粒子場
場所: 55N-02-応物・物理会議室

 近年稀薄アルカリ原子気体においてボーズ・アインシュタイン凝縮が実現され、量子力学・量子場の理論の原理的な側面の実験系を提供するものとして興味が持たれている。これらの実験で特徴的なことは、粒子分布が観測可能ということである。蒸発冷却後の凝縮相の生成の様子が100msのオーダーの時間で粒子分布の変化として観測されており、非平衡理論検証の系として最適な系である。この凝縮相生成の問題には、熱的ショックを受けた後、系が時空で変化する秩序変数のもと如何に変化していくか、励起粒子状態が如何に変化していくかという、多重素粒子反応、ビッグバン後の宇宙進化の問題や、超伝導デバイス素子の非平衡制御に付随する物理現象に共通する問題を含んでいると言うことができる。

 講演では、非平衡場の理論の立場から、Thermo Field Dynamicsの枠組みで如何にこの問題が定式化できるかを説明し、非平衡系での摂動論を展開する。この結果から、時空で変化するエネルギー、減衰幅、粒子数分布の変化を含んだ準粒子場の方程式が導けることを示す。準粒子場に含まれるゼロ・モードが位相変換対称性に関連する位相量子座標に対応しており、その必要性と物理的効果について議論する。

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