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高エネルギー重イオン衝突における“くるみ割り”シナリオのHBT効果による検証

日時: 2001/05/29 火 16:30-18:00
講師: 森田 健司 氏 早大
題目: 高エネルギー重イオン衝突における“くるみ割り”シナリオのHBT効果による検証
場所: 55N-02-応物・物理会議室

高温高密度状態における核物質の新しい状態、クォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)の生成を目指して、金や鉛等の重い原子核を高エネルギーで衝突させる実験が行われている。これまでのCERN竏窒rPSやBNL竏窒`GSの実験等で、実際にQGPが生成されたといえるような決定的な証拠は未だにないが、すでにいくつかの有力なシグナルは得られている。TeaneyとShuryakは新たなシグナルとして“くるみ割り(Nutcracker)”シナリオと呼ばれるものを提案した。これは強い1次相転移を伴う時空発展においては、物質の分布にくるみが割れたような特徴的な構造ができるものである。

一方、量子力学における同種粒子の対称性から、放出されるボソンの2体相関を測ることによって粒子源の幾何学的な情報が得られることがHBT効果として知られている。本研究では流体模型を用いて“くるみ割り”シナリオを再現し、そこから得られるパイ粒子の2体相関関数の解析を行った。その結果として、くるみの“殻”の寄与によって2体相関関数に特徴的な振る舞いがあらわれることを示した。また、実験的に観測できるかを定量的に議論する。

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