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量子力学における ``時間演算子'' について

日時: 1998/12/16 水 15:00-17:30 (曜日注意)
講師: 宮本 学 氏 東京工業大学
題目: 量子力学における ``時間演算子'' について
場所: 55S-04-06
通常我々は,量子力学において系の Hamiltonian H が下に有界であるときは,Pauli (1933) の議論によって,H との交換子が [T,H]=i\hbar (\hbar=h/2π,h は Planck定数) となるような自己共役な作用素 T (このような作用素を ``時間演算子'' と呼ぶことにする) は存在しないと理解している.これに対し,我々は,波動関数 ψ(x) の境界条件が |ψ(x)|^2 → 0 であるような一次元自由粒子系で,Hilbert 空間として L^2(R) を選び,具体的に作用素 T_0 を定義することで,それが L^2(R) のあるチュウ密な部分空間上で自由粒子の Hamiltonian H_0 と [T_0,H_0]=i\hbar をみたし,かつ,少なくとも対称であることを示した.本修論では,さらに,この作用素 T_0 が自己共役拡張をもつかどうか,ならびに Pauli の議論との関連について論じる.

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