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反転法によるボルツマン方程式の導出

日時: 2000/11/07 火 16:30-18:00
講師: 小出 純 氏 慶応大
題目: 反転法によるボルツマン方程式の導出
場所: 55N-02-応物・物理会議室

場の量子論に基き,ボルツマン方程式を一体分布関数の運動方程式として系統的に導出する方法を紹介する.一体分布の計算に閉時間経路 (closed-time-path)形式を用い,その運動方程式を導出する方法として反転法 (inversionmethod) を用いる.系としては自己相互作用する非相対論的ボゾン場を考える.まず時間発展を通してプローブとなる外源 (source)を導入し, 一体分布をこの外源の汎関数として計算する.そしてこの関係を外源について逆に解く.この反転によって外源が一体分布で表現され, その後で外源を取り除くと一体分布の運動方程式として非マルコフな形のボルツマン方程式が得られることを示す.

導出においては新しい形の外源が用いられ, 反転の操作は反転公式 (inversion formula)を使って行われる.この定式化を用いると,さまざまな物理量の期待値を一体分布の汎関数として計算することもできる.物理量の期待値はまず外源の汎関数として計算され,その汎関数に外源を一体分布で表現したものを代入すれば,期待値は一体分布の汎関数の形に書き直される.この例として, 粒子数, 運動量,エネルギーを一体分布で表現し,それらの量の保存則を輸送方程式によって確認する.

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