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量子計算とBell ユニタリー変換された熱平衡状態に関するエンタングルメント

日時: 2006/05/23 火 16:30-18:00
講師: 太田 幸宏 氏 早稲田大
題目: 量子計算とBell ユニタリー変換された熱平衡状態に関するエンタングルメント
場所: 55N-02-応物・物理会議室

量子計算においてエンタングル状態はそのスピードにとって重要な役割を果たすことが示唆されている. 一方で, Braunstein et al.は, 液体状態NMR 量子計算機で用いられるeffective pure stateについて, 現状のqubit 数や偏極率ではセパラブル状態であることを指摘した. この結果をうけて, 液体状態NMR量子計算機が真の量子計算機かどうかについて様々な議論がおこなわれている. こうした中,Yu, BrownそしてChuang[1]は新たな, そして興味深い視点からこの課題に取り組んだ. すなわち, ユニタリー変換(つまり, ダイナミックス)によるエンタングルメント生成を調べた. ここでは, 初期状態として系の熱平衡状態(これはセパラブル状態である)を採用し, 特定のユニタリー変換(Bell ユニタリー変換と呼ぶ)をそれに作用させ得られた状態(Bell ユニタリー変換された熱平衡状態と呼ぶ)に関して, PeresチェックやDür-Ciracの分類法を用いて, セパラブル状態ではないようなパラメーター領域(qubit数と偏極率)をもとめた. 本講演では,こうした議論を現実に実験で用いられるハミルトニアンや固体素子量子計算機への適用を目指すため, 文献[1]の成果をまず再現し, そしてそこでは調べられていない量であるネガティビティ(混合状態に対するentanglement measureの1つで, entanglement distillationの制限と密接に関係する)を評価することで, 生成された状態の絡み合いの性質をさらに詳細に調べたい.

[1] T. M. Yu, K. R. Brown, and I. L. Chuang,Phys. Rev. A 71, 032341 (2005).

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