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極高エネルギー天体素粒子探索計画: Telescope Array

日時: 1998/06/30 火 16:30-18:00
講師: 佐々木 真人 氏 東京大学宇宙線研究所
題目: 極高エネルギー天体素粒子探索計画: Telescope Array
場所: 55N-02-応物・物理会議室

極高エネルギー(Extremely High Energy)領域は 10^{20}eV 付近を指し,人類にとって経験できる最高のエネルギーであり,真のエネルギーフロンティアと言える.極高エネルギー宇宙線が銀河系外陽子の場合,そのエネルギーには,3K 背景輻射との共鳴反応を通じて 5×10^{19}eV でのカットオフ(GZK cut-off)が理論的には予測されるが,1990年代の世界の検出器,AGASA,Fly's Eye,Yakutskにより,このカットオフを超える 2縲鰀3×10^{20} の宇宙線による空気シャワー事例が数例発見されている.その起源をめぐり活動銀河中心核,電波銀河等のモデルも種々提唱されているが,宇宙相転移時に生成された大統一理論(GUT)起源の磁気単極や宇宙紐も有力な候補であり,高エネルギー天体学,素粒子物理学,及び宇宙論において強い興味が向けられている.2000年からの観測を担うべく,より大型かつ高分解能の検出器によって極高エネルギー現象の起源を決定することが望まれる.

我々は極高エネルギー領域における天体素粒子物理とも言える新たなる分野を築くため,約100,000km^2str の巨大な有効検出面積と約1兆トンのアクティブターゲットをもつ世界最大の蛍光望遠鏡のアレイを用いる観測計画(Telescope Array プロジェクト)の準備研究を進めている.

その極高エネルギー天体素粒子物理学の現状を概観し,極高エネルギー探索マシンとしての Telescope Array プロジェクトについて紹介したい.

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