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二つのスピン−1 ボーズ・アインシュタイン凝縮体のスピン相関と最大エンタングルメント

日時: 2003/10/28 火 16:30-18:00
講師: 山下 眞  氏 NTT物性科学基礎研究所
題目: 二つのスピン−1 ボーズ・アインシュタイン凝縮体のスピン相関と最大エンタングルメント
場所: 55N-02-応物・物理会議室

量子エンタングルメントは量子系と古典系を区別する重要な特性の一つである。この特性を利用すれば将来の情報処理通信に革新をもたらす量子計算、量子暗号が実現可能となるため、現在、様々な分野を融合させながら研究が進められている。エンタングル状態を実験的に作成しようとする試みも盛んであり、光子、冷却原子、冷却イオン、半導体量子ドット、超伝導トンネル接合等を用いて精力的に行なわれている。

 今回、我々はレーザーで光学的に作成された二重量子井戸中のボーズ・アインシュタイン凝縮体のスピン自由度を利用して最大にエンタングルした状態を作成する方法を提案する。講演では、原子のトンネリングによって誘起される二つの凝縮体間のスピン相関に注目しながら、凝縮体が示す様々なスピン特性について述べる。特に、中性原子間に働くスピンに依存した相互作用を断熱的に変化させた場合に、二つの凝縮体のスピン間に最大エンタングルメントが形成されることを説明する。さらに、原子のロスやスピン反転によって生じるデコヒーレンスがこのエンタングルメントに与える影響についても議論を行いたい。

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