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単安定系における確率共鳴の実験

日時: 1998/11/17 火 16:30-18:00
講師: 石渡 信吾 氏 横浜国立大学
題目: 単安定系における確率共鳴の実験
場所: 55S-04-06
しきい値応答する非線形素子にそのしきい値を越えない微弱周期信号とノイズを入力する.もし,ノイズ強度が適切なら,信号の山と谷でノイズがしきい値を越える確率が異なり,周期信号に確率的に同期した応答パルス列が得られる.この現象を確率共鳴 (Stochastic Resonance; SR) と呼ぶ.したがって,SRは観測にかからない微弱信号をノイズを利用してその周期を検出可能にする方法と言える.生物系の例として,ザリガニの尾の有毛細胞は,SRによってノイズの多い環境下で外敵の接近を感知していると考えられている.このような生物の信号処理の観点から,確率共鳴を実現する2つの実験系について述べる.1つはオペアンプを用いた単安定マルチバイブレーター回路であり,この実験結果を元にSRの性質を概観する.もう1つは硝酸中の鉄電極反応である.この化学反応系は,かつて Lillie の神経モデルとして研究された反応系であり,より生物系に近い実験系である.

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