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量子1次元導体における緩和と非平衡定常状態 C*代数からのアプローチ

Date: Tuesday, June 27, 4:30pm-6:00pm
Speaker: Dr. Syuichi TASAKI Waseda University
Title: 量子1次元導体における緩和と非平衡定常状態 C*代数からのアプローチ
Room: 55N-02-Conference Room of Dept. of Appl. Phys. and Dept. of Phys.
完全導体からなる二つの熱浴にはさまれた1次元導体における定常状態への緩和と非平衡定常状態の性質について報告する。C*代数の理論を用い、熱浴を含む全系の時間発展を追跡すると、t→∞の極限で、任意の初期状態が非平衡定常状態に弱収束することが分かる。この定常状態はガウス的で、ゼロでない電流を伴っている。さらに、全系の時間発展が可逆であるにもかかわらず、電流と電位差、温度差の関係は熱力学の第2法則から期待される符号を持ち、Sivan-Imry/Bagwell-Orlandらによって調べられたLandauer型公式と一致する。時間反転対称性のため、反第2法則に従う定常状態も存在し、任意の初期状態はt→‐∞で、第2法則に反する定常状態に弱収束する。以上の結果をふまえ、時間発展の可逆性と状態変化の不可逆性が両立することについても論じる。

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